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【メキシコ】

南バハカリフォルニア州における海洋資源回復のための里海プロジェクト

【キーワード】​

中小企業の海外展開、未利用資源の活用、里海、海の多様性(SDGs15)、サーキュラーエコノミー

【背景】

 メキシコ西部のカリフォルニア湾に面した州では、大量のホタテ貝が水揚げされるが、剥き身後に残る大量の貝殻が問題となっていました。そのため、ある日本の調査会社の報告書では、貝殻を焼却処理する焼却炉が必要と指摘されていました。

 この状況に対し、私たちは「廃棄物=資源」との考え方から、自然の産物である貝殻を化石燃料を使って焼却処理するのではなく、有効利用する方法がないかと考えました。また同時に、大量のホタテ貝が水揚げされるカリフォルニア湾の状況についても多面的に調査をしたところ、この海域では乱獲等により漁業資源が減少傾向にあり、生物多様性も失われつつあることが分かりました。

 そこで、これらの問題を解決できる良い技術の調査を行い、日本で実績のある岡山県倉敷市の海洋建設㈱が製造する人工魚礁技術をに着目しました。

 この人工魚礁は、剥き身後に残るホタテや牡蠣の貝殻を使って製造されるため、大量の貝殻を焼却処理しないで済みます。また、通常の人口魚礁に比べて、魚を守り・育てる効果が高いことが実証されていたことから、カリフォルニア湾の漁業資源と多様性の回復に貢献できる、環境効果の高い技術であることが分かりました。

 この構想を海洋建設(株)に提案したところ、同社も海外の海洋資源保全に貢献したいという想いをもっていたことから、メキシコへの海外展開構想がスタートしました。

【案件化調査】 

 そして2016年、同社はJICAが実施する「中小企業海外展開支援事業~案件化調査~」に採択され、2017年4月~2018円5月にかけてカリフォルニア湾に面した南バハカリフォルニア州で案件化調査が実施されました。調査ではメキシコでも貝殻を利用した人工漁礁の製造が可能なこと、海洋資源の回復が見込めることが確認され、調査の様子はNHK Worldでも取り上げられました。

【普及・実証事業】

 案件化調査の結果を受け、メキシコ政府側からも技術展開のパイロット事業が期待されたことから、海洋建設(株)は2018年、JICAの「中小企業海外展開支援事業~普及・実証事業~」に申請し採択されました。これにより、人工魚礁と日本古来の里海づくりの知見を活用して、カリフォルニア湾の漁業資源と多様性の回復に取り組んでいく予定でです。

【コンサルティング内容】

 私たちValue Frontier㈱は、長年のODAコンサルティングの専門的知見とネットワークを活かして、本プロジェクトの企画、JICAへの提案書作成から調査、現地政府やJICA、プロジェクト関係者との折衝等、コーディネーション全般を担当しています。


【関連リンク】

JICA案件化調査(中小企業支援型)

JICAプレスリリース(倉敷発のローテクノロジーでメキシコに貢献)

NHK World(特集番組、英語)

​・海洋建設(株)